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がれき仮置き場放射線、周辺と変わらず 処理進める方針

2011年5月17日22時2分

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 環境省は17日、福島第一原発の事故の影響で放射性物質が付着した可能性があるがれきを集めた県内の仮置き場で、放射線量を測定した結果を発表した。すべての仮置き場で、数十メートル離れた周辺と同レベルの量だった。

 同省は「がれきを集めることで放射線量が高くなった場所はなく、周辺住民への健康影響はない」として処理を進める方針だ。

 放射線量を測ったのは、原発から20キロ圏内の警戒区域と計画的避難区域を除く、浜通り地方と中通り地方にある114カ所すべての仮置き場。今月9〜12日に調べた。

 仮置き場内に積まれたがれきの周囲約1メートルでの放射線量は、ほぼすべての測定地点で毎時2マイクロシーベルト未満。最高で毎時4.04マイクロシーベルトだった。参考値として測った仮置き場から数十メートル離れた場所と比較しても、値はほぼ変わらなかったという。

 この測定結果について、長崎大学の山下俊一教授(被曝(ひばく)医療)は「周辺住民は通常通りの生活をしても問題ないレベル。念のために、作業員はマスクを装着し、子どもが仮置き場に入れないような対策が必要だ」と指摘する。

 環境省は、放射線量が一定以下の場所のがれきは、セシウムの放出を防ぐ専用の焼却施設などで処分する方針。東京大学の森口祐一教授(環境システム工学)は「大半のがれきの汚染度は周辺に比べてさほど高くないが、焼却する場合は排ガスや焼却灰の処理に注意が必要だ」と話している。(長富由希子、森治文)

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