2011年5月16日12時24分
市の名前の由来にもなった、古来の製法による藻塩(もしお)づくりが16日、宮城県塩釜市で再開された。
この日は、塩釜沖で採った2トンの海水を藻に浸透させ、長さ4メートル、幅2メートル、深さ約40センチの耐火れんがで囲まれた大きな釜に入れた。もうもうと湯気の立つ釜であくをとる作業を続け、2日がかりで30キロほどの塩をつくる。
再開したのは、2年前に市民グループが立ち上げた合同会社「顔晴(がんば)れ塩竈(しおがま)」。塩釜の塩を特産品にしようと研究、古来の製法による藻塩を復活させた。作業所は津波で浸水したが、釜は無事だった。総括社員の及川文男さん(63)は「復興に向けて、誰かが先にやらないと続く人もいない。塩釜の復興につなげたい」と話した。(佐藤靖)