2011年5月15日18時58分
東京電力に融資している金融機関に枝野幸男官房長官が債権放棄を求めたことについて、菅政権内の足並みの乱れが露呈した。国家戦略相でもある民主党の玄葉光一郎政調会長は15日、枝野氏の発言を批判したが、岡田克也幹事長は理解を示した。
枝野氏は13日の記者会見で、東電福島第一原発の事故に伴う損害賠償を支援する枠組みに税金を投入することをめぐり、「金融機関にも当然協力いただけるものと思っている」と語り、事実上、債権放棄を求めた。
しかし、玄葉氏は15日のテレビ朝日の番組で「ちょっと枝野さんは言い過ぎた」と発言。「銀行が債権放棄すれば東電は次の融資が受けられない」と述べ、金融機関には金利減免や返済猶予などで協力を求めるべきだとの考えを示した。
一方、岡田氏は同日、青森市内で記者団に「国民負担が出ることになれば、民間にも責任がある。金融機関を含めて分担することは不思議なことではない」と語り、債権放棄もあり得るとの考えを示した。