2011年5月13日22時14分
上場企業の2011年3月期決算がほぼ出そろった。東日本大震災の影響で、第4四半期(11年1〜3月)の経常利益が震災前の第3四半期(10年10〜12月)より約30%減った。12年3月期の業績予想を出せない企業も約20%ある。
SMBC日興証券が東京証券取引所第1部に株式上場する企業のうち、12日までに決算発表した831社をまとめた。3月期決算企業の約65%にあたる。
経常利益の合計は第3四半期は約6兆円だったが、第4四半期は約4兆円に減った。前年同期と比べても6%以上減った。四半期ごとの利益はリーマン・ショックでマイナスになった08年度第4四半期を底に回復してきたが、ブレーキがかかった。
鉄道や運送など陸運が第3四半期より約93%減。工場損壊や部品供給停止で生産が止まった自動車が約40%減、鉄鋼が約34%減など主力産業も痛手を受けた。
11年3月期(通期)の売上高の合計額は前期比約7%増の約406兆円、経常利益の合計額は約56%増の約22兆円。第3四半期までの業績が良かったためだ。ただ、被災した工場や店舗などの復旧費用を含む特別損失は3.5兆円に達した。
12年3月期の予想を出さなかったのは206社あり、うち168社は昨年は発表したのに今年は見送った。震災や原発事故の影響を見通せないためで、自動車や電機などの主力企業が軒並み出さなかった。業績予想を出した625社は、後半から景気が持ち直すとみて売上高は約5%増、経常利益は微増を見込んでいる。