2011年5月13日20時50分
関西電力は13日、福井県美浜町の美浜原発3号機(82.6万キロワット)を14日に停止し、約3カ月の定期検査に入ると発表した。これで関電の11基の原発のうち4基が停止し、夏にかけてさらに2基が定期検査に入る。福島第一原発の事故の影響で再起動のめどが立たない状態が続くと、真夏の電力供給が圧迫されるおそれがある。
今回の定期検査は福島第一原発の事故を受け、緊急炉心冷却システムなどを特に点検する。検査自体は約2カ月で終わる見通しだが、福井県は「福島第一原発の事故を踏まえた暫定的な安全基準を国が示していない」として、再起動を認めない考えを示している。
今後定期検査に入る大飯4号機と高浜4号機を合わせ、今夏は関電の原発6基が停止することになり、11基の出力の合計約977万キロワットの53%が止まることになる。
福井県の西川一誠知事は13日の会見で、原発の経済性と安全性について「比較すべきものではない」と述べ、現時点では再起動を認められないとする考えを改めて示した。(笹川翔平)