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枝野官房長官の会見全文〈13日午後4時〉

2011年5月13日20時0分

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 枝野幸男官房長官の13日午後4時の記者会見の内容は次の通り。

 【東電の賠償枠組み】

 ――賠償枠組みで、積立金を取り崩すべきだとの意見があるがどう考えるか。

 「広い意味での東京電力の資産について、様々な意味で使えるものは全部使って頂こうと思っているが、個別の一個一個については、会計上の性格、法令上の必要性を個別に見て、これから判断していくことになるだろう」

 ――ゼロベースで考えるということか。

 「そうだ」

 ――エネルギー特別会計の電源開発促進勘定の考え方についても同じか。

 「それぞれの制度にはそれぞれの理由があって、積立金とか別勘定とかがある。おそらく、多くの場合は、なかなか使えない種類のものが多いだろうが、当然一個一個使えるものはどこまでなのかということを最大限使えるものを探すという観点で、これから個別に見ていくことになるだろう」

 ――原子力政策をゼロベースで考え直す中、期間はどれぐらいのメドで結論を出すのか。

 「残念ながら、この補償というのは、原発の状況が収束し、全ての影響を受けられた皆さんの状況が事故前の状況に戻らないと終わらない。一定の期間がかかる。その間に、事故の検証を踏まえたエネルギー政策の見直しということが、途中のプロセスに入ってくる。そういったことを踏まえないとできないことは、それまで待っても別に問題ない。できるものからやっていくという考え方だ」

 【復興基本法案】

 ――復興基本法案は、どういう点で野党と協議していくのか。

 「逆に野党が『ここを変えれば賛成できる』とか、具体的な提案、意見を国会で多分協議されるんだろう」

 ――野党は「付則に書いてある復興庁を本文で書け」という主張をしているが。

 「具体的には、これから国会で審議される状況になって、国会で各党間の相談がなされるんだろう。それを踏まえて、政府として必要な判断をしなければならなければ、その時に判断したい」

 【普天間問題】

 ――沖縄県の仲井真知事がレビン米上院軍事委員長が提案した嘉手納統合案について「基地負担が軽減されるなら協議の入り口に入れるかも知れない」という話をしているが、どう考えるか。

 「昨日から申し上げている通り、有力議員であることは十分承知しているが、議会の一部の意見、提言ということで、米政府としての考え方について、何か変更があったとか、変更する考えだというようなことを聞いているわけではない。二国間の合意に基づいて、日本政府としては努力していくという立場だ。仲井真知事が記者にそういった発言をされたということは承知しているが、具体的に今、沖縄県知事から何か沖縄担当大臣として意見を頂いている状況ではない。記者にそういう発言をしていたことはテークノートしておきたい」

 ――将来的に日米合意を見直す可能性はあるか。

 「今の段階で米政府の意向について何らそういった話はない」

 【東電の賠償枠組み】

 ――東電賠償について債権放棄などを金融機関に求めていくということだが、元本も含めた債権放棄なのか、金利の減免なのか。

 「私はあくまでも民民の相談で東電が協力を求めて頂くという話であって、政府としてはその報告を受けて、国民にもそれを報告するということを話したものであって、国民がそれで納得するのかどうかということについての私の認識を話したものであって、恐らく国民の認識、受け止めについてはだいたい皆さんもおおむねの想定はつくのではないか」

 ――その結果によって、政府の東電賠償支援策の判断がされるなら、どういう協力かのイメージを持っていると思うが。

 「現時点では、東京電力の株を直接持っているわけではない、政府は、今の時点では。あくまでも民民の関係で、公権力が直接マーケットに絡む話でもあり、直接的なことは申し上げない方がいいと思うが、私の意向は、だいたい分かる方はお分かりになるのではないか」

 【普天間問題】

 ――沖縄県国頭村の住民が普天間基地の海兵隊を受け入れるとの報道があるが、事実関係は。

 「政府も広い。少なくとも私は承知していない。報告を受けていない」

 【東電の賠償枠組み】

 ――賠償枠組みで負担金は事業コストから支払うということだが、事業コストとは何か。

 「詳細は担当大臣にお尋ね頂きたいが、各電力会社に負担して頂く、つまり、一種の保険システムを作るということの中に、負担金を負担して下さいというのは、原発を運営する発電のコストに入ると理解している。東電が機構から支援を受けた場合、それに応じて負担する特別負担金については、営業外の費用になると承知している」

 ――負担金を事業コストから支払う場合、負担金が増えてしまうから電気料金を上げる、ということにならないか。

 「一般的負担金については、その分に相当する以上の経費節約は当然なされるものと思っている。特別負担金、営業外の部分については電気料金の算定には入らない」

 ――今後東電の株を持つ考えはあるのか。

 「直接ではないが、機構からの支援のやり方として出資もあり得るスキームになっている。市場から買うという意味ではない」

 ――普通株の取得もあるのか。

 「可能性としては否定しない」

 ――野党から会社更生法を適用した方がよかったとの意見も出ているが。

 「会社更生法を適用した場合、被災者、被害者の皆さんの損害賠償請求権が一般債権になる。特に、福島の原発事故の収拾に向けて協力頂いている協力企業の事故発生前から含めた様々な債権が大部分が一般債権になる。つまり、ほとんど回収できない状況になる。今回のスキームは、被災者の皆さんに賠償を支払う。事故の収束に向けて協力頂いている協力企業が引き続き協力して頂けるようにする。このためのスキームだ。今のようなことになってしまうと、別途の相当大仕掛けのスキームを組まないといけなくなる」

 ――賠償枠組みの文言で「財政負担を最小限にする」だった部分が、党の意見を反映して「国民負担を最小限にする」に変わった意味は。

 「党の意見がどういう趣旨でということは推測する側だが、指摘を受けて、財政負担ということだと税金だけのように受け取られるが、税金であれ、電気料金であれ、できるだけ極小化するということのためのスキームなので、党の指摘はもっともなものだ」

 ――「国民負担を最小限にする」とは、電気料金値上げを最小限にすると受け止められているが。

 「とにかくあらゆる意味で、トータルとして国民に電気料金であれ、税金であれ、転嫁をせずにやっていくということに向けて最大限努力をするということだ。もともとスキームを作り始める時から当然の前提にしている。指摘されて、そういう表現にした方がその趣旨が伝わるかな、ということで変えたということだ」

 【復興基本法案】

 ――復興基本法案と内閣法改正案との関係をどう見ているか。

 「できればどちらもできるだけ早く成立させて頂きたい」

 ――閣僚数3人増の枠を減らす可能性もあるか。

 「一般論として、国会にお願いしている法案は原案の通り成立させて頂きたい。国会で各党間でいろいろ相談頂き、与党からその相談についてまとまる可能性のある段階では連絡があると思うので、その段階で相談させて頂きたい」

 【普天間問題】

 ――仲井真知事との会談では、普天間問題についてやりとりはあったか。

 「ほとんどの時間は振興策、負担軽減についての話で、普天間問題について直接的な話ではなかったと記憶している」

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