2011年5月13日17時14分
山口県税務課に9日、1通の封筒が届いた。角2判で、ずっしりと重い。職員が開けてみると――。中から出てきたのは、現金530万円と「東日本大震災の被災者に役立てて欲しい」と書かれた手紙だった。
厚紙とビニールに包まれた荷物をほどくと、輪ゴムでくくられた130万円の1束と100万円の4束が出てきた。
A4判1枚のワープロ打ちの手紙が添えられていた。東日本大震災の発生から自分に何ができるかを日々考え、寄付しようと思い立ったこと。以前住んでいた山口にふるさと納税として送ろうと決めたこと。少しでも東北の人たちの喜びや希望につながるようにと願っていること……。「鯉(こい)のぼりをめでる葉桜」と名乗っていた。
鈴木健一課長らは、厚意をくんで収納することを決め、二井関成知事に報告した。名前も住所もわからない葉桜さん。二井知事は県のホームページにお礼の文章を載せた。530万円は、山口国体に参加する被災地の選手団派遣経費などに使うことが検討されているという。(安田桂子)