2011年5月12日11時30分
宮城県南三陸町の二つの小学校で12日、被害の大きかった岩手、宮城、福島の3県で最も遅い入学式が開かれた。震災から2カ月が過ぎ、ようやくすべての子どもたちが学校生活を送れるようになった。
津波で壊滅した町中心部近くの志津川小学校では、28人の新入生が体育館に集まった。加藤敬一校長が「あいさつをしっかりできる小学生になってください」と話すと、新入生は「はーい」と元気に答えた。
氏家航志(こうし)くん(6)は入学式の直前、町役場に勤務する父浩文さん(46)から千羽鶴を受け取った。「おおつなみにまけないで、いっぱいあそんでください」とのメッセージが添えられている。
自宅は津波で流された。親類の家に避難している間、海辺で拾ったぬれた折り紙を持ち帰り、家族みんなで折った。航志くんは「緊張しているけれど、(学校は)なんだか面白そうだ」と話し、千羽鶴を手に校舎に入った。(三浦英之)