2011年5月11日5時0分
津波に流され、岩手県大槌町の2階建て民宿の屋根に2カ月間、乗り上げていた同県釜石市の観光船「はまゆり」が10日、クレーンで地上に下ろされた。1カ月かけて現地で解体される。モニュメントとして保存しようという声もあったが、二次被害の恐れから撤去された。
船体の重さは約200トン。クレーン車2台で慎重にバランスをとりながらつり上げ、隣接する町営住宅跡地に下ろした。燃料を抜いて、船内の機器を取り外した後、トラックに積める大きさに解体する。費用は船体保険で賄うという。
作業を見守った釜石市の金子健一観光交流課長は「地元観光の中心的存在だったので非常に残念。これからのことはまだ分からない」と寂しがった。
はまゆりは定期検査で大槌町の造船所に入っていた際、津波に襲われ、約400メートル離れた民宿の屋根まで運ばれていた。