2011年5月10日22時27分
東日本大震災の支援活動をしている神戸のインド人男性に、サッカーのブラジル代表チームから、選手18人のサイン入りユニホームが届いた。チャリティーオークションで義援金を集めたいという元被災地からの思いがかなった。
男性はディープ・サドワニさん(57)。香港生まれの神戸育ちで、140年の歴史がある外国人クラブ「神戸レガッタ&アスレチッククラブ(KR&AC)」の会長も務めた。
震災直後から、「阪神大震災から復興した神戸市民こそ立ち上がらなければ」と、友人でつくるグループ「SIMKRAC」で、チャリティーイベントを企画。貿易関係のビジネスなどを手がける家族の人脈をたどり、ブラジル代表の関係者に、ユニホームの提供を依頼した。
ユニホームは、3月27日のスコットランドとの親善試合で、ダビド・ルイスやアンドレ・サントスら18選手がサインしたものという。ポルトガル語で「日本、がんばれ」と書かれている。ブラジル代表の国際試合を運営するエージェントは、朝日新聞の取材に「百%本物です」と手紙で回答した。
サドワニさんの計画では、落札者はユニホームを所有する代わりに、自分のサインを入れて被災地の学校などに寄贈する。「被災地の子どもに、あこがれの選手たちが応援していることを伝えるのが大切」と考えるからだ。落札金も被災地に寄付する。
活動の詳細はSIMKRACのホームページ(http://www.senkyu.com/simkrac/)へ。28日には、米国の合唱団を招きチャリティーコンサートも神戸で開催する。(浅倉拓也)