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菅首相「エネルギー計画白紙に戻し議論」 省エネ推進

2011年5月10日20時30分

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【動画】菅直人首相記者会見

写真:会見する菅直人首相=10日午後6時14分、首相官邸、山本裕之撮影拡大会見する菅直人首相=10日午後6時14分、首相官邸、山本裕之撮影

 菅直人首相は10日、首相官邸で記者会見を開き、総電力に占める原子力の割合を将来的に50%に高めるという政府のエネルギー計画について、「いったん白紙に戻して議論する必要があるだろうと考えている」と述べた。

 首相は、現在54基の原発を2030年までに14基以上増やし、発電時に二酸化炭素を出さない原子力などが総電力に占める割合を約70%に――とする昨年決定の政府の「エネルギー基本計画」に言及。内訳を「原子力が50%以上、再生可能エネルギーが20%」と指摘した上で、「この従来決まっている基本計画は白紙に戻して議論する」と強調し、原発の新増設計画を認めない可能性もあることを示唆した。

 さらに、議論の方向性について「原子力と化石燃料は電力では二つの柱だったが、太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーを基幹エネルギーに加える。もう一つは省エネ社会を作ることだ」と述べた。一方、「原子力については一層の安全性を確保する」とも述べた。

 ただ、政権は、エネルギー基本計画の見直し議論の場やスケジュールを具体的に示していない。

 首相はまた、今年6月から福島第一原発事故に収束のめどがつくまで、首相としての歳費を返上する考えを表明した。会見では、原発事故をめぐる責任について「事業主である東電とともに、原子力政策を国策として進めてきた政府にも大きな責任があり、おわび申し上げたい」と陳謝。責任者の立場を考えたいとして、現在172万円余りある歳費のうち国会議員歳費をのぞいた93万円分の首相歳費を6月から返上する。

 さらに、近く政府の第三者機関として原子力事故調査委員会を立ち上げる考えを表明。調査委の発足では「従来の原子力行政からの独立性、国民や国際社会への公開性、技術だけでなく制度や組織的なあり方を含めた包括性の3原則を重視する」と語った。調査委には事故原因の究明に焦点を当てさせる考えだ。

 原発事故をめぐる損害賠償問題について、首相は「賠償スキームづくりも進めている。一義的には事業者である東電の責任だが、適切に賠償が行われるよう政府として責任をもって対応したい」と語った。東電が示した経費節減策については「努力の一環と受け止めている。十分かどうかは話し合いの中で考えないといけない」とだけ述べた。

 このほか、復興対策本部の設置などを盛り込んだ復興基本法案や閣僚数増員のための内閣法改正案について、首相は「今週中にも方針を決めて国会に提出したい」との方針を示した。

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