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復興財源の確保と財政再建を両立 政策推進の全体指針案

2011年5月10日15時1分

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 東日本大震災を踏まえ、菅内閣が経済財政運営の基本方針を練り直した「政策推進のための全体指針」案が10日、明らかになった。災害復旧や被災者支援を最優先する一方、復興財源を確保しながら消費増税と社会保障の一体改革を着実に進め、財政再建も両立させる。13日にも閣議決定し、今年半ばまでに具体策を取りまとめる。

 指針案は、日本再生に当たって、東日本復興を日本再生の先駆例にする▽巨大リスクに備えた経済社会構造の確立▽財政・社会保障や日本ブランドに対する信認の維持――などを基本原則とし、(1)震災復興(2)財政・社会保障の持続可能性確保(3)新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化――を3本柱に掲げた。

 首相の諮問機関「復興構想会議」が6月末に取りまとめる第1次提言をもとに、本格的な震災復興をめざす。消費増税と社会保障の一体改革は従来通り、昨年末の閣議決定に従って6月末までに成案を得る。財政運営戦略も「本年半ばまでに中期財政フレームを改訂し、財政健全化を着実に推進する」と示した。

 震災で中断していた政権の新成長戦略実現会議は5月中に再開する。工程を見直すもの、新たに取り組むものなどに分類し、年内に具体像を提示。震災で打撃を受けた農林漁業の復興や、日本の農水産物の信認回復という新たな課題に応える方策も検討する。

 環太平洋経済連携協定(TPP)については東日本の農林漁業が甚大な被害を受けたことに配慮し、「TPP交渉参加の判断時期については総合的に検討する」と時期を明示せず、「6月までに交渉参加の是非を判断する」としていた従来の方針を弱めた。

 指針案は経済再生に向けた3段階の手順も示した。当面は震災からの早期立ち直りに焦点を当て、2011年度第1次補正予算を早期に執行して災害復旧や被災者支援を最優先する。

 次に今後3年程度を「自律的成長への土台づくり」とし、被災地の本格復興を支援し、コンパクトシティーやエコタウンの建設、省エネルギー・新エネルギー拡大などに取り組む。この間、震災復興に必要な財源確保、社会保障・税一体改革も実行に移す。

 中長期の課題として「持続可能な自律的成長の実現」を掲げ、財政運営について、社会保障・税一体改革の継続により「財政・社会保障の持続可能性を確固たるものとする」とした。

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