2011年5月9日20時55分
浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全炉停止を決めた中部電力の、水野明久社長の記者会見でのやりとりは以下の通り。
――浜岡4、5号機の停止はいつごろになるのか。
「電力を融通している東日本、九州の電力会社と調整してから、1基ずつ止める。数日をメドに完了できる」
――いつごろ再開できると想定しているのか。
「津波の安全対策は2、3年かかる。早期完了に全力を挙げたい」
――菅直人首相の要請を受諾した理由は。
「原子力事業は地域や社会の信頼を得て初めて成り立つ。福島第一原発の事故を契機とする新たな不安を真摯(しんし)に受け止め、安全を最優先に進める」
――株主代表訴訟へのリスクは。
「安全対策を施した後、運転を再開することが、長い目でみれば利益になると判断した」
――電力は本当に確保できるのか。
「計画停電を実施しないで済むよう、あらゆる手段をとる。お客様には一層の節電をお願いしたい」
――電気料金の値上げは考えているのか。
「現時点では考えていない。迷惑をかけないようにしていく」
――コスト増はリストラで対応するのか。
「経営の効率化は常に頭に置いており、再度見直して、最大限の努力を続ける。具体的にはこれから詰める」
――今期の業績は営業赤字になるのか。
「赤字になる可能性は否定できない。影響額は最大限、抑制したい」
――震災後も浜岡原発の安全性に自信を見せていたが。
「安全対策は適切に実施されており、海江田万里経済産業大臣の確認もとれている。今回の停止は、一層安心を頂くためのものだ」