2011年5月9日0時13分
菅直人首相が中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の停止要請を発表後、愛知県の大村秀章知事や河村たかし名古屋市長に直接電話して理解を求めていたことがわかった。大村知事が経済活動への影響について懸念を伝えたのに対し、首相は「支障をきたさないようにする」と強調したという。
大村知事によると、7日午後2時ごろ、首相から携帯電話に連絡があり、「理解と協力をお願いしたい」と説明を受けた。大村知事が「私は経済活動などに責任がある。産業県・愛知がフル回転して震災後の日本を支えようと言ってきた」として電力の融通についてただすと、首相は「万全を期す」と応じたという。
さらに、首相は「浜岡は特別だ」としてほかの原発に停止が波及することはないとの考えを強調。「防潮堤など対策を講じれば再開できる」と述べたという。
同夜には、海江田万里経済産業相からも「関西電力に、中部電力へ電力を融通するよう伝えた。具体的な対策を講じる」などと電話で説明を受けたという。
一方、河村市長は菅首相に対し、「(エネルギー問題は首相の)得意分野だから色々やってみればいい。ただ、電気料金だけは上げたらいかん」と要請したという。(石井潤一郎、寺西哲生)