2011年5月4日19時26分
4月の米国の新車販売台数は約116万台で、1営業日当たりの販売は前年同月比で約14%増えた。ガソリン価格が高騰し、燃費が良い車の売れ行きが好調だった。東日本大震災で大幅な減産を強いられているトヨタ自動車は、大手6社で唯一前年を下回った。
米調査会社オートデータが発表した。増加は8カ月連続。年換算では1317万台のペースで、前年実績を大きく上回っている。
そろって小型車がよく売れた米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの幹部は、電話での記者会見で「消費者は燃費の良い車への買い替えを始めた」と口をそろえた。
一方トヨタは、燃費の良さが売りもののハイブリッド車「プリウス」が前年同月比4%減。日本で生産しているため、震災の影響で米国への供給が滞って需要に追いつかない状況だ。多くを日本で組み立てる高級車ブランド「レクサス」の販売も同8%減った。
トヨタのマイナスは2カ月連続。同社は4月下旬以降、北米生産も通常の7割減に落とした。トヨタ幹部は電話会見で「5月も減産が販売に影響を与えるのは明らかだ」と述べた。
日本メーカーではホンダも現在、北米生産を通常の半分に落としている。これに対し米国勢は「生産への大きな影響は出ていない」(GM)。5月以降も、震災の影響で明暗が際だつ可能性がある。(ニューヨーク=山川一基)