2011年5月2日21時25分
福島第一原発の事故に伴う校庭の表土処理をめぐり、高木義明文部科学相は2日の閣議後の記者会見で、表層の土と下層の土を入れ替えることで放射線量を減らす方法を検討していることを明らかにした。
放射線量が、校庭の使用が制限される文科省の基準値(毎時3.8マイクロシーベルト)以上で長くとどまっている場合に実施を検討するという。
校庭の表土をめぐっては、福島県郡山市が市の独自判断で除去したものの、表土の処分地周辺の住民から反発が起き、処理方法が決着していない。「除去」ではなく、文科相が言及した「上下入れ替え方式」は、郡山市の問題が起きる前から省内で検討されていたもので、土を校外に搬出する必要がなくなる「メリット」がある。
この条件に当てはまるのは、2日現在では同県伊達市の小国小と富成小の2校で、同省の最新の計測値で小国小は毎時4.5マイクロシーベルト、富成小は基準値ちょうどの同3.8マイクロシーベルトとなっている。
文科省は「まだ入れ替えの実施も決まっておらず、対象校も検討中」としている。表土の上下入れ替えは、旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故でも実施されているという。(青池学)