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被災地へ、愛よ急げ 阿久悠さん遺作、こうせつさん作曲

2011年5月1日13時50分

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写真:阿久悠さんの未発表曲について話す南こうせつさん=4月28日、福岡市博多区、恒成利幸撮影拡大阿久悠さんの未発表曲について話す南こうせつさん=4月28日、福岡市博多区、恒成利幸撮影

写真:阿久悠さん=2006年11月拡大阿久悠さん=2006年11月

 シンガー・ソングライターの南こうせつさん(62)の元に3月下旬、一編の歌詞が届いた。一読した南さんは、「被災地で頑張っている人たちに歌ってあげたい」。タイトルは「愛よ急げ」。2007年に亡くなった阿久悠さんの遺作だった。

 「阿久さんはこの震災を知らないのに、不思議なんだよね」

 《はるか彼方(かなた) 地平の果てに 愛に目覚めた人がいて かたちある愛 かたちない愛 ともに誰かに運びたくて》

 「ボランティアや自衛隊の人たちに、歌いかければ力になるかなと、すぐ曲を書きましたよ」

 歌詞を届けた阿久さんの所属事務所の関係者は、「作者の意図は違うかもしれないが、今の状況に合う内容だった。おつきあいのあった南さんの事務所にご一読を、と送った」と話す。書かれた時期は分からないという。

 阿久さんとは、互いに無名の頃に知り合った。かぐや姫の最初期に「酔いどれかぐや姫」など歌詞の提供を受けたが、「売れていた時はなぜか、一緒に歌を作っていないんだ」。阿久さんの死後、遺族から託された「風に吹かれて 再会篇(さいかいへん)」に曲を付け、歌っている。「その縁があったから、お話があったのでしょう」

 4月29日夜、福岡市でのコンサートで初めて披露した。レゲエのリズムに乗った、明るく親しみやすい曲調。来場者にサビの歌詞を教え、一緒に合唱した。

 《丸い地球を 丸く走って 丸い心が いま届けられる》

 南さんは最近、仙台市立八軒中学校の合唱部員たちが、避難所で歌を披露している話を知った。スタッフの提案で5月7日、東京・日比谷野外音楽堂でのライブに招き、共演することが決まった。「その時に、ぜひこの曲を一緒に歌いたい」と準備を進めている。(西正之)

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