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計画的避難 福島・飯舘村長「連休中にも始めたい」

2011年4月29日20時46分

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写真:避難の進め方に関し、役場関係者に詳しい説明を求める住民たち=29日午前9時45分、福島県飯舘村、竹谷俊之撮影拡大避難の進め方に関し、役場関係者に詳しい説明を求める住民たち=29日午前9時45分、福島県飯舘村、竹谷俊之撮影

 東京電力福島第一原発の事故で「計画的避難区域」に指定された福島県飯舘村は29日、村内20カ所で説明会を開いた。5月末までの全村避難を求められており、乳幼児や妊婦のいる家庭から優先して避難する考えを明らかにした。菅野典雄村長は取材に対し、「早ければ連休中にも避難を始めたい」と話した。

 村側は説明会で、(1)乳幼児や妊婦のいる家庭(2)子どものいる家庭(3)放射線量の高い3地域――を優先して避難先の希望を受け入れたいと説明。「物件と希望が合致すれば連休中にも避難を始め、妊婦や乳幼児のいる家庭は5月下旬までの避難完了を目指したい」としている。

 村はまた、避難先のホテルや旅館、公的施設を二本松市や福島市に計1600人分、当面定住できるアパートを約1千人分確保したとして施設名や地域名の一部を例示。滞在先の希望調査票の受理も始めた。

 一方、確保できた施設の収容人員は村の人口約6千人の半数ほどにとどまる。集落がまとまって入居することができる仮設住宅も確保時期などは未定だ。

 東電は原発事故の収束に6〜9カ月かかると説明している。住民への説明にあたった門馬伸市副村長は「1カ月以内に全村が避難するのは無理。2〜3カ月はかかる」と述べた。帰村については取材に「1〜2年で帰ることができればいい方だ」と答え、長期化する見通しを示した。

 酪農家の志賀正次さん(48)は「収入がなくなるのにどうすればいいのか、わからない。親は先に避難させるが、私は賠償問題がまとまるまで村を出る気はありません」と話した。

 村はこの日、避難準備のため、1人あたり3万円の見舞金給付も始めた。総額2億円の財源は全国からの義援金や村の基金で賄う。(岡本峰子)

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