2011年4月29日19時32分
文部科学省は29日、大気中の放射線量の調査結果を発表した。各地でわずかな増減が続いている。宮城、福島、茨城、千葉の4県で依然として平常値を上回っている。
福島第一原発から北西31キロ、積算線量が高まっている浪江町赤宇木では、毎時19.5マイクロシーベルト(前日は17.5)、北西33キロの飯舘村長泥は13.8マイクロシーベルト(同13.5)、西北西30キロの浪江町津島仲沖は7.1マイクロシーベルト(同6.5)と上がった。
一方、東京電力は同日、原発から50〜60キロ離れた茨城県沖合5カ所のうち3カ所で、基準値を下回る放射性物質を検出したと発表した。
調査地点は北茨城市から千葉県の銚子市付近まで5キロ沖の5地点。25日に表層と海面から105〜797メートルの底層、その間の中層の海水を調べ、3地点の表層や中層、下層から放射性ヨウ素とセシウムを検出した。ただ、いずれも基準値の5分の1以下だった。
東京電力は「今後、影響があるかどうか調べる必要がある」として、陸に近い沿岸にも調査を広げる。
文科省の調査では、福島第一原発から南東約50キロの福島沖の地点で、27日に採取した海面から75メートルの中層の海水から、セシウム134が基準の3分の1、セシウム137が5分の1ほど検出された。