現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

小佐古参与が抗議の辞意 子供の被曝基準「容認できぬ」

2011年4月29日22時48分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判した。

 小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出した。

 会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えた。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べた。

 また、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測が4月下旬までに2回しか公表されなかったことも批判。「今のやり方は、東京で数字をぼっと決めてやっている」と指摘し、政権の対応について「私がやってきたことからは外れているので、これ以上とどまっている理由はあまりない」と語った。

 小佐古氏は放射線安全学などが専門で、東日本大震災発生後の3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任した。菅直人首相は小佐古氏ら計6人の原子力専門家らを次々に内閣官房参与に任命した。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧