2011年4月28日11時49分
県外避難する人のことが気になっています。避難所は見えやすいけれど、外に出てバラバラになると存在が隠れてしまう。阪神大震災でも、問題に気づいたのは数カ月後でした。大阪に出た70代の女性が「私のことを誰も知らないの」と泣いて電話してきた。助けを求める相手もなく孤独死した高齢女性も、悩みを打ち明けられず自殺した中年男性もいました。
行政が所在を把握できず支援の手から離れると、情報が届かず孤立してしまいます。ぜひ自分から居場所を伝えて。かつてのコミュニティーとのつながりを守って欲しい。被災地を見捨てたと罪悪感に悩む人がいますが、それは違う。最初は気が張っていても、長くは続かない。いったん離れ、心を癒やすことは大切です。残った人は、帰って来たら温かく迎えて。次はあなたたちが県外に出ても良いのです。
そして「帰りたい」という気持ちは大切にして下さい。生きる希望につながります。安堵(あんど)の表情で故郷に帰る日は、必ず来ます。