2011年4月28日8時50分
環境省は27日、東日本大震災で被災した宮城、福島、茨城の3県の計15地点でアスベストの飛散状況を調べた結果を発表した。すべての地点で、通常の大気環境とほぼ同じ数値で、「健康影響はないレベル」(大気環境課)という。ただ、ビルの解体作業が本格化して飛散が増える可能性もあり、防じんマスクを正しく着用するように呼びかけている。
世界保健機関(WHO)は都市部でのアスベスト大気濃度は通常、1リットル当たり1本未満〜10本としている。環境省は、避難所やがれきの集積所、倒壊家屋の近くで測定したが、全地点で1本以下だった。最も高かったのは福島県相馬市の避難所で、0.9本だった。
環境省は厚生労働省との合同で被災地のアスベスト対策を検討する委員会を5月初めにも設置。測定地点を増やして飛散状況の本格調査に乗り出す。