2011年4月27日
海外ではすでに発売されていた「iPad 2」が、いよいよ日本でも発売になります。今回は、発売前に入手した日本発売版iPad 2の実機を使い、新モデルの魅力をチェックしてみたいと思います。一見「ちょっと薄くなっただけ」に見えますが、ところがどっこい、使ってみると「じんわり」くる、味わい深い進化を果たしていたのです。(西田宗千佳)
日本版「iPad 2」のフォトギャラリー薄く、軽くなって「自然に使える」デザインへ
まず、iPadという製品について、ちょっとだけおさらいをしておきましょう。アップルがiPadを発売したのは、ちょうど1年ほど前の2010年4月(日本では5月)に発売され、新しい形のコンピューターとして大きな注目を集めました。結果、たった1年にもかかわらず、全世界で1900万台以上を販売しました。アップルは「これまでの家電機器の中で、もっとも急速に売れている」としています。
そんな成功を受けて登場するのが「iPad 2」になります。ディスプレーサイズは9.7インチ、1024×768ドットなので、正面から見たイメージはさほど変わらないように見えます。ベゼル部が黒だけでなく、白のモデルも用意されているのが目立つ違いでしょうか(画像1)。
ただ、実際にiPad 2を持ってみると、ちょっと「はっ」とするほどiPadとの違いを感じます。びっくりするくらい持ちやすくなったのです。
iPad 2はボディデザインが変更になり、iPadに比べ33%薄くなりました。また重量に関しても15%軽くなっています。持ってみた時のインパクトは、この数字よりも大きなものに感じます。手の平に感じられる「あたり」がやわらかく、機械を持っている、という印象が薄くなった感じです。
薄さのインパクトは横から見ると、なかなか強烈なものがあります。初代iPadは、いかにも「アルミを削った」工業製品的な良さがあったのですが、角が立っていて「やさしい印象」とは違いました。しかしiPad 2は、角がほとんどなくなり、紙のノートのもつやわらかさに近づいた印象で、持ってみた時の感触も異なります(画像2)。
また、初代iPadでは、「丸い」底面が意外と困りました。机の上に置いた時、平たくないので安定しづらかったためです。iPad 2は平面になりましたから、机の上にも置きやすくなりました。置きやすさと持ちやすさについてはもう一つ、大きな改善点があるのですが、そのことについてはまた後で触れることとしましょう。
1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)、「iPad vs.キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)がある。