2011年4月27日19時56分
三菱重工業は27日、東京電力福島第一原発の事故処理に使うため、放射線から操縦者を守る機能をつけたフォークリフトを製造したと発表した。操縦席の周りを厚い鉄板で覆い、ガラスには鉛を混ぜて遮断効果を高めた。5月から2台が投入される。
鉄板は厚さ10センチ、ガラスの厚さは23センチ。空気清浄フィルターも搭載する。放射線量は、外部の50分の1〜100分の1まで下がるという。1度に9トンのがれきを運べる。
がれきの除去などにはこれまで、無線操縦の重機が使われてきた。このフォークリフトは有人で作業でき、作業の効率化が期待できる。3月末に東京電力の依頼を受け、自社製品を数億円かけて改造した。
三菱重工は原発設備の製造を手がけ、放射線を防ぐ技術に詳しい。防衛省向けに製造する戦車にも放射線防護の機能を付けており、そのノウハウも生かした。