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原発安全、ウソだったんだぜ 反原発曲、ネットで話題に

2011年4月27日19時8分

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写真:斉藤和義さん斉藤和義さん

写真:忌野清志郎さん忌野清志郎さん

 東京電力の福島第一原発事故をめぐり、反原発の姿勢を打ち出す楽曲が話題になっている。新曲に加え、改めて注目された曲も。レコード会社やラジオ局には「自粛」の動きがあるが、インターネットの投稿サイトなどで広がり続ける。

 「この国を歩けば、原発が54基/教科書もCMも言ってたよ、安全です/俺たちをだまして、言い訳は『想定外』」「ずっとウソだったんだぜ/やっぱ、ばれてしまったな/ホント、ウソだったんだぜ/原子力は安全です」

 4月上旬からネットの投稿サイトで話題になっている反原発の曲がある。題名は「ずっとウソだった」。ロック歌手斉藤和義さんのヒット曲「ずっと好きだった」の替え歌だ。

 替え歌だが、歌っているのは斉藤さん本人だ。

 最初に投稿されたのは7日。斉藤さんが所属するビクターエンタテインメントは「プライベートで撮影した動画が、本人が意図しない形で流出した」と削除を求め、サイト側も応じたが、動画をみた人たちが相次いでコピーを投稿。今もネット上で広がる。

 斉藤さんの所属事務所によると、動画は斉藤さんが自ら撮影した。公表も検討したが、本人と所属事務所、レコード会社で協議した末、関連する会社への配慮や、原発問題については様々な意見があることを考慮し、見送ったという。関連する会社の詳細は明らかにしていないが、ビクター社の親会社は電機メーカーで、元の曲は大手化粧品メーカーとのタイアップだ。

 一方、映像は斉藤さんが友人に渡していたため、そこからネットに広がったらしいと説明する。

 斉藤さん自身はこの件についてコメントしていない。

 福島第一原発の事故を受けてよみがえった反原発の曲もある。

 ロックバンド、RCサクセションの「ラヴ・ミー・テンダー」「サマータイム・ブルース」だ。1988年のアルバム「COVERS」に収録されていた。

 86年のチェルノブイリ原発事故の影響もあり、反核の姿勢が鮮明だった。

 リーダーの故・忌野清志郎さんは「ラヴ・ミー・テンダー」に「放射能はいらねえ/牛乳を飲みてえ」と日本語の歌詞を付けた。「サマータイム・ブルース」は「人気のない所で泳いだら/原子力発電所が建っていた/さっぱりわかんねえ、何のため/狭い日本のサマータイム・ブルース」となった。

 88年当時、所属レコード会社の東芝EMIは新聞広告で「素晴らしすぎて発売できません」と表明し、詳しい理由を明らかにしないまま発売を中止。その後、別会社から発売された。

 福島第一原発の事故が起きた後、この2曲も注目を集めた。音楽評論家のピーター・バラカンさんがDJを務めるインターFMの「バラカン・モーニング」にも、「番組を始めて以来、最も多くのリクエストが集中した」という。

 バラカンさんは「かけるべきだ」と考え、「サマータイム・ブルース」を流した。一方で牛乳に触れる「ラヴ・ミー・テンダー」については局と協議し、「風評被害につながるおそれがあり、今の時期はやめた方がいい」との理由で、放送を見送ったという。

 バラカンさんは放送しない理由を番組で紹介したうえで、「インターネットでも簡単に聴けるので、どう思ったのか、教えてください」と呼びかけた。

 番組には「かけるべきだった」「清志郎が生きていたら、こんな状況だからこそ、違う歌を歌うと思う」などという感想が寄せられているという。(五十嵐大介、中井大助)

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