現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

4号機の燃料プール漏水か 貯水少量、耐震工事に影響も

2011年4月27日14時59分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図:福島第一原発4号機の現在の状況拡大福島第一原発4号機の現在の状況

 東日本大震災で被災した福島第一原発のうち、使用済み燃料プールで火災が起きた4号機で、燃料を冷やすために入れている水が想定したほどプールにたまっていないことがわかった。東京電力によると、水が漏れている可能性があるという。事故収束に向けた工程表では、4号機原子炉建屋の耐震補強は7月までに終わることになっているが、東電は、水が少ない原因がわからなければ工事に入れないとしており、工程に遅れが生じる恐れがある。

 4号機は地震発生時には停止中で、燃料はすべてプールに移されていた。燃料集合体の数は1〜6号機の中で最も多く、燃料から出る熱による水の蒸発量も最も多い。東電は連日、放水車で水を入れて燃料を冷やしている。

 この数日間の注水量は1日140〜210トン。燃料による蒸発量は1日70トンと見積もられ、プールの水位は上がっている。だが、上がり方は想定より少なく、1日あたり12〜48トン分の水が行方不明になっている計算という。

 東電によると、原子炉建屋内への水漏れは確認されていない。プールと原子炉をつなぐゲートの破損などによって原子炉側に水が漏れている可能性があるという。また、注水量がそもそも見積もりより少ない可能性も残されているという。

 4号機では3月15日、4階にあるプールの下で火災が発生。原子炉建屋が壊れ、プールを支える壁などが破損した。現状での建屋の耐震性は、想定の揺れの半分程度しかないという。

 4月27日午前8時までに震度4以上の余震が134回発生し、福島県内では、11、12日には、震度6弱の揺れを記録した。余震に備えて早急に耐震補強工事を進める必要がある。

 工程表では、プールの底の空間部分に柱を入れたり、筋交いを入れたりする補強工事を7月までに実施することになっているが、東電は26日、「想定しただけの水がプールにたまらない原因を突き止めないと、耐震補強工事に入れない」と説明。今後、放水車による放水を増やして変化をみたり、原子炉建屋の内部に再度作業員が立ち入って水漏れしている場所がないかを調べたりすることにしている。(杉本崇、川田俊男)

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧