2011年4月27日13時10分
枝野幸男官房長官は27日午前の記者会見で、福島原発事故に伴う東京電力の損害賠償額に上限を設けるよう金融機関などが求めていることについて「上限があるからこれ以上被害補償しませんということは、とても考えられないし、許されない」と述べ、上限論を強く否定した。
原子力損害賠償法(原賠法)は、事故を起こした事業者に無限責任を負わせているが、東電の取引先の金融機関などから「東電の賠償に上限がなければ社債発行が難しくなる」との異論が出ている。枝野氏は「最終的に東電と国の負担割合はいずれ議論があると思うが、被害者との関係では一義的には東電において補償するというのが当然だ」と強調した。菅直人首相も「賠償は第一義的には東電の責任だ」と表明しており、上限を設けずに東電に賠償責任を負わせる、との政権の基本姿勢を改めて示した。
また、枝野氏は原賠法の「異常に巨大な天災地変」で生じた損害の場合、事業者が免責されるとの規定について「免責条項が適用されるとは法律家の一人として考えられない」とも語り、適用には否定的な見解を示した。
さらに、賠償の枠組みについては「(被害者に)補償をしつつ、電力供給の責任を確保していくためのスキームはできるだけ早く示したい」として、検討を急ぐ考えを示した。