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1号機「水棺」作業、27日着手 注水量増やし安定図る

2011年4月26日14時30分

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図:1号機での「水棺」のイメージ拡大1号機での「水棺」のイメージ

 東京電力は26日、東日本大震災で被災した福島第一原発で、依然として高温状態にある1号機について、格納容器を水で満たす「水棺」の作業に着手することを明らかにした。27日に原子炉への注水量を増やして燃料を冷やし、原子炉の安定化をめざす。

 26日午前5時現在、1号機は圧力容器上部の温度が134度と、第一原発の中で最も高い。毎時6トンの水を、格納容器の内側にある原子炉圧力容器に入れて燃料を冷やしている。東電は、27日に「水棺」に向けて注水量を14トンまで増やし、蒸気を意図的に圧力容器の外へ逃がして格納容器に水をためる作業に入る。

 東電によると、格納容器にたまった水の水面は現在、底部から約6〜9メートルの高さの位置にある。まだ圧力容器には接していないとみられる。今後、総量で7400トンの水を入れて、底部から18メートルの高さまで水を満たす予定だ。

 1号機には事故発生から総量で7500トンの水をすでに注入している。東電は「注水量と燃料から出る熱による蒸発量からみても、格納容器の密閉性が保たれずに水が漏れている可能性がある」としている。

 このため、東電は26日、原子炉建屋内に遠隔操作のロボットを入れて、格納容器にケーブルを通すための配管などから水漏れがないか確認した。目立った水漏れなどは確認できなかった。27日に注水量を増やした時点で、改めて圧力や水位の変動を確認する。その後、一度水量を減らして格納容器や容器を支える原子炉建屋の耐震性に問題がないかを調べる。

 問題がないと判断すれば、再び注水量を増やして燃料上端部まで水をためる。核燃料を100度未満の安定した状態にする「冷温停止」をめざす。

 東電は、格納容器が破損している可能性が高い2、3号機についても、漏れを調べて「水棺」の作業に入ることにしている。(川田俊男)

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