2011年4月26日11時55分
文部科学省は25日、福島第一原発から20キロ圏内の警戒区域の大気中と土壌の放射性物質濃度の調査結果を初めて発表した。大気中のヨウ素131は、北西4キロ地点で原発敷地外の濃度基準の62倍となった。土壌でも西北西4キロの別の地点で、セシウム137がこれまでの最高値を示した。
大気は4月2日と18日に12地点で採取。土壌は2日に2地点で採取した。
大気中では、ヨウ素131が最も高かったのは、双葉町前田の1立方メートルあたり310ベクレルだった。原発敷地外の濃度基準の62倍の高さだった。これまで一番高かったのは、30キロ圏外である北西約35キロの川俣町山木屋で3月25日に検出された555ベクレル。山木屋では、今月23日の測定では検出されなかった。
土壌中では、西北西約4キロの双葉町山田で、半減期が30年のセシウム137が1キロあたり38万ベクレルと、これまでの最高値を示した。今回の調査では地表から5センチの浅い土を分析している。イネの作付けを禁止する目安の1キロあたり5千ベクレルは、15センチの深さの土を調べており、単純比較はできないが、この数値は大幅に上回った。