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枝野官房長官の会見全文〈25日〉

2011年4月25日13時20分

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 枝野幸男官房長官の25日の記者会見全文は次の通り。

 【出荷制限と解除】

 「3点報告する。1点は、出荷制限の設定と解除について。原子力災害特別措置法20条3項の規定に基づき、福島県本宮市で産出された露地栽培の原木シイタケについて、出荷制限を設定した。また一方、同県いわき市で産出された露地栽培の原木シイタケは出荷制限を解除した。いずれも福島県知事に対する指示だ。詳しくは厚労省、農林水産省にお尋ねを頂ければと思う」

 【被災地産品支援】

 「農林水産物の被災地産品支援フェアについて、本日より、農水省のHPにおいて、被災地産品支援フェアの開催状況について紹介することにした。全国各地で被災地を応援しようという趣旨から、被災地の農林水産物を販売するフェアやキャンペーンが行われ、社員食堂や外食産業などでも優先的に使用する取り組みが広がっている。このような取り組みは風評被害を払拭(ふっしょく)するためにも重要であり、この場を借りて、こうした活動に協力頂いている皆さんに感謝を申しあげる。国民全体で、被災地の農林水産業を盛り上げ、農林水産業者を支援するためにこのような取り組みが拡大し、多くの人に足を運んで頂くことを期待している」

 【いわき市長におわび】

 「私の22日の記者会見で、計画的避難区域等の説明を行った際、質問に答えて、いわき市からの強い要望により結論を出したと受け取られかねない答えをした。これについて、いわき市長からそのような認識はない旨の申し出をちょうだいした。この点については、いわき市のご意向を忖度(そんたく)したものであったというふうに認識しているし、避難地域等から外れることが期待されるというご意向を踏まえたものであったとは認識しているが、若干それについて十分な認識が共有されずに誤解を招くような発言になった。このことについては、いわき市長におわびを申しあげるとともに、訂正をしたい。先ほど、市長と直接電話で話をし、このような趣旨を説明し、ご理解を賜った。重ねて文章で申し出を頂いているので、文書にて、今のような趣旨をしっかりとお伝えしたい。いずれにしても今回の地域設定は、地元といろいろと意見交換したが、国の責任において設定しているものであることを改めて申しあげたい」

 【統一地方選】

 ――統一地方選で民主党の不信が明らかな結果だったが、党代表の責任についてどう考えているか。

 「私は内閣の一員として菅総理から任命を受けているので、内閣をしっかりと回していくという仕事に徹している」

 ――国民の信任を受けていない総理で復旧、復興ができるのか。

 「いま、菅内閣がこうした状況の下で内閣をお預かりしている以上は、復旧、復興に向けて最大限の努力をするのが私どもの役割だと思っている」

 ――国民に理解されないのはどこに問題があると考えるか。

 「選挙の結果は多様な原因、理由があるので、何か一つを取り上げて、政府に入っている私の立場から申しあげるべきではないと思っている」

 【震災対応】

 ――亀井構想について総理も会見で進めたいと発言したが、もし失敗した場合の総理責任についてどう考えているか。

 「震災対応にあたっては、各党各会派も党派を超えて、国をあげて進めていく、協力すると言って頂いている。それについては大変ありがたいと思っている。具体的なやり方については、色々な意見が各党各会派にもあろうかと思うし、それについていろんな方がいろんな調整を頂いているということについても感謝をしている。内閣の立場としては、各党間の何らかの意見の合意あって、それに基づいて政府としてこういう対応をというような指示など相談があれば、それを踏まえて対応したいと思うが、現時点で私のところにそういう指示はない」

 ――総理の口から復興実施本部を呼びかけた。国家の行政組織にかかわる問題にもかかわらず具体的な説明がない。これは単なる与野党機関なのか、行政権限の一部を担わせるものなのか、どのような考えなのか。

 「今申し上げた通り、それぞれしかるべき方が野党各党の意見、意向を踏まえた中で、どういう進め方がいいのかということを今協議を頂いている段階だ。政府としてはできるだけ幅広く、既に各党会派の皆さんには様々な点で協力頂いているが、それをそれぞれの各党会派の意見を踏まえて、より効率的に行える仕組みで各党の意見がまとまることを期待している」

 ――総理は具体的な中身を固めないまま提案しているのか。

 「それぞれ各党、各会派とのそれぞれの協議についてはそれぞれ相手があることなので、一定の方向性なり、まとまったりすれば私のところにも報告や指示があるものと思う」

 ――連休が明けると震災から2カ月になるが、いまだに復興にあたる機関が決まっていない。与野党協議はいつまで続けるのか。

 「相手もあることだが、いずれにしても現地の状況等を踏まえながら、必要なタイミングでは組織を立ち上げなければいけないと思っているし、それは連休明けを待たない段階で、一定の方向性を示さないといけないだろうとは思っている」

 【世論調査】

 ――フジテレビと産経新聞の世論調査で、原発事故への政府の対応が評価できないとの答えが75%を超え、復興、震災対応が評価できないとの答えも60%を超えている。何が国民から評価されていないと思うか。

 「国政を運営する上では、国民世論、声は大変重要だと思っているし、個々の世論調査はそれを推し量る一つの大きな要素だとは思うが、世論調査が世論を正確に反映できるものとは思っていないので、個別の世論調査のことについてはお答えしないというのは従来から申しあげている通りだ。その上で、多くの被災者の皆さん、原発事故で避難、影響を受けられている皆さん、たくさんいる中で、厳しい声があるのは、ある意味では当然だと思う。厳しい声を踏まえて、一刻も早く、こうした皆さんが平常の生活に戻れるよう最大限努力してまいりたい」

 【統一選その2】

 ――統一選だが、政府としては国民の声をどう受け止めるのか。震災対応について、今回国民はどういうメッセージを政府に発したと考えているか。

 「選挙のことについては先ほど申し上げた通りだ。震災対応については選挙の結果とは関係なく、国民の皆さんからはもっとしっかりと、特に避難をされている皆さん、被災をされた皆さん、様々な出荷規制等で影響を受けられている皆さん、多くの皆さんが一刻も早く平静の生活に戻れるようもっとしっかりやれという強いお気持ちをお持ちだと受け止めており、その声に応えるべくさらに努力を進めてまいりたい」

 ――民主党内から代表の責任を問う声も上がっているが、党としては今後、どう対応していくべきだと考えるか。

 「民主党議員に限らず、いま政治、あるいは行政に携わっている責任ある人間にとっては被災地の皆さん、あるいは原発の影響を受けられている皆さんのために何がベストであるかという1点で発言し、行動すべきだ」

 【復興財源】

 ――仙谷官房副長官が復興の財源について所得税を上げることに言及したが、受け止めは。

 「復興に一定の財源が必要であるということ、これはもう異論がないところだろうと思っている。ただ、その財源をどういった形で対応していくのかについては、様々な意見があり得るということだと思っている。そして、物事の議論のあり方として、どういう復興をするのかという、その復興の絵姿がない中では財源についての議論はいずれにしろ前には進めるべきではないし、進むことはないと思っている。そうした中での様々な提言の一つであると思う」

 ――仙谷副長官の発言は政府内で検討されているのか。

 「現時点で、政府として何か一つの方向に収斂(しゅうれん)しつつあるとか、そういった状況にはない」

 【世論調査その2】

 ――世論調査では退陣すべきだという声が44%、退陣すべきでないとの声も44.4%。国民の半分が退陣すべきだと考えているようだが、震災対応が評価されていないことと退陣がリンクしているのではないか。

「個別の世論調査についてのお答えは先ほどの通りだ」

 【東京電力の工程表】

 ――東電の工程表について、総理は先日の会見で、東電が出した工程表はしっかりと国も含めて取り組めば十分実現可能だと発言した。国も含めて取り組むというのは具体的にはどういうことか。工程表の進み具合の管理や途中の説明も国が責任を負うということなのか。

 「当然、保安院が担当部局として進捗(しんちょく)について管理を行っていくのは当然だ。それに加えて、現にここまでのプロセスにおいても、海外の、アメリカ政府やフランスの大きな関連企業とか、様々な支援を外からも頂いている。当然、外国政府との関係については日本政府が窓口で対応しなければならないというのが、代表的な分かりやすいケースだが、東電の工程表を実現するためには東電が単独でできることではない。当然、政府が東京電力を補いつつというか、一体となって進めていくというのは、ある意味当然ではないか」

 【浦安市の液状化】

 ――先ほどの委員会で松本龍さんから浦安の液状化の現象について、激甚災害法の査定項目に入れたいと。検討が進んでいるのか。

 「これについては実際に多くの影響、被害が出ている中で、それに対してどういった形で対応するのかについては関連部局で検討を進めて頂いていると認識している」

 ――先ほど委員会の関連で、総理は震災対応について「やるべきことをやっている」と言っていたが、仮設住宅の着工もままならない中で、どういったところが、やるべきところをやっているのか。

 「もちろん、様々な事情によって期待を頂いていることのすべての結果が出せていないことには大変忸怩(じくじ)たる思いを持ち、そのことについて常に反省点はないか、見直すべきことはないかという姿勢で取り組んでいるつもりだが、そういったことも含めて、可能なことについては最大限努力をしている。ただ、当然、被災者の皆さんの立場に立てば、もっと早くとか、もっと強力にという声があるのは私は当然のことだ。その声もしっかりと真摯(しんし)に受け止めながら、常にベストを尽くしているつもりでいるが、より改善点がないかについては、日々、真摯に自らを見つめながら対応していかなければならない」

 【世論調査その3】

 ――世論調査だが、総理にふさわしい人で小沢元代表が9.2%で1位。2位が枝野長官が8.0%だった。

 「個別の世論調査についての受け止め、認識については先ほど申し上げた通りだ」

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