2011年4月25日12時58分
菅直人首相は25日午前の参院決算委員会で、民主党が不振に終わった統一地方選について「それぞれ厳しい結果になっていて、そのことは真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べ、事実上敗北を認めた。
一方で、震災や原発事故への政権の対応については「政府を挙げて、やるべきことはしっかりやってきている」と述べ、対応への不信感が敗北につながったとの見方を否定。「震災の復旧復興、原発事故を何としても抑えていくことに、今後も全力を挙げて取り組みたい」と、続投に強い意欲を示した。
また首相は、本格的な復興対策を盛り込む第2次補正予算について「財政再建の道筋も併せて打ち立てたい」と表明。「国債や復興債が必要になる。どう償還するかしっかり考えることが、国際的あるいは市場の信認を維持するうえで重要だ」と述べた。増税の扱いが今後の焦点だ。
原発の増設を盛り込んだ政府のエネルギー基本計画については「白紙の立場で考える」と指摘。原子力安全・保安院や原子力安全委員会について、組織の見直しを検討する考えも示した。ただ、既存の原発については「長期的に検討する必要があるが、今すぐ停止することまでは考えていない」と述べた。
この日の決算委は、3月11日の震災発生で中断された審議を再設定した。冒頭、出席者全員で震災の犠牲者に黙祷(もくとう)を捧げた。