2011年4月24日16時41分
東日本大震災の水田被害に伴い、宮城県の1万600トン(2千ヘクタール)のコメ生産を県外に回す調整は、6千トン(1200ヘクタール)程度の実現にとどまる見通しになった。県は、引き受け側から一定額を受け取り、被災農家への支援にあてる考えだが、金額は減りそうだ。
宮城県の今年産米の生産数量目標は、36万7950トン(6万9千ヘクタール)。被災水田の作付けを県内の内陸部に振り向ける作業を進めたが、1万600トン分のめどが立たず、県外に生産を委ねる「都道府県間調整」を農林水産省に申し立てた。
同省が、原発事故で作付けが一部禁止された福島県分も合わせ、4万5600トンの引き受け手を募ったところ、増産する意向を示したのは17道府県の3万トン程度にとどまった。
宮城県内では、作付けを引き受けた内陸部の農家が10アールあたり1万5千円を出し、被災農家への支援金に使う。県は、都道府県間調整でもこの仕組みを準用した財源確保を期待していた。(荒海謙一)