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被災で要補修・運送業者不足…新入生ら、下宿探しに苦心

2011年4月24日16時0分

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 東日本大震災で東北地方の引っ越しが混乱し、新入生や学生らが下宿探しに苦労している。一時は完全に動きが止まっていたが、復旧の動きとともに仙台市内の各大学生協や不動産会社の紹介も動き始めた。

 東北大学(仙台市)では、ガソリン不足などで運送業者が足りずに引っ越しできなかった卒業生が一時200〜300人にのぼった、という。

 学生に下宿を紹介している東北大生協によると、今週末にかけて引っ越しのピークになりそうだという。一方で、仙台に引っ越してくる新入生は例年約2千人で、昨年は1千件近い物件を紹介したが、今年は16日現在で3分の2程度。今月末にかけて下宿を決める人が集中するとみられる。

 学生用も含めて約8500室を管理する仙台市内の不動産管理会社「平和住宅情報センター」。例年は2〜3月に700〜800人の学生が市外へ引っ越していたが、今回の地震では約300人がガソリン不足などで引っ越しできなかった。今月10日ごろから運送業者を紹介するなどして、学生に完全に部屋をあけてもらったという。

 新入生用の部屋は約1500室を用意したが、被災で補修が必要な部屋もあり、例年より空き部屋は少ない。4月中旬からは新入生らが部屋を探し始め、平日で30組、土日で60組と例年のほぼ倍のペースだ。学生が5月の授業再開に向けて、部屋に戻り始めたせいか、1日100件近く補修依頼も入っている。

 一方、岩手県大船渡市にある北里大海洋生命科学部。今春の卒業生は約170人。ほとんどが近くの下宿生だった。就職も決まり、大船渡市から引っ越しする予定の学生も多かったが、震災で下宿の荷物を出すことができなかった。

 大学側は引っ越しを進める応急措置として、部屋に残されているテレビ・冷蔵庫・洗濯機などを本人の代わりに破棄処分して、本人に10万円を支払う対策をとった。「最終的に連休前には引っ越しは終わるはず」と同大広報はみる。一方で、海洋生命科学部のキャンパスを神奈川県の既存の相模原キャンパスに今年度から少なくとも4年間移すことにしている。(教育担当=山上浩二郎)

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