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「原発議論が民主主義深める」サンデル教授インタビュー

2011年4月24日9時17分

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 サンデル教授は22日、米ハーバード大の学生主催のシンポジウムの後、朝日新聞などの取材に応じた。主なやりとりは次の通り。

 ――福島第一原発の問題をどう見ているか。

 危機が起きる前、米国は原発推進に向かっていたが、再考を迫られた。他のすべての国も、エネルギー政策の安全性やリスクを新たな枠組みで議論することが避けられないだろう。

 だが、根本的には、膨大なエネルギー消費に依存する物質的に豊かな生活様式をどうするか、我々がどんな社会に住みたいかという価値観の問題になる。

 ――日本での原発の賛否をめぐる議論は激しいものになるかもしれない。

 私のアドバイスは、思慮深く、丁寧な議論をすること。絶対に議論を避けてはならない。社会が直面する最も困難な課題について、賛否両派が相互に敬意を持って、公然と討議できれば、民主主義は深まる。だからこそ、建設的に議論するための枠組みの設定が非常に重要となってくる。

 ――誰が枠組み設定を担うべきか。

 政治指導者に責任があるが、しばしば機能しない。有権者が望まないからだ。民主主義に不可欠な、自ら考えて議論する市民を育む教育の責任が大きい。メディアも意味ある議論を提起する義務がある。

 ――日本政府は11年度予算の途上国援助(ODA)削減を決めた。

 日本が震災後の緊急事態を過ぎた時、途上国援助で再び寛大な役割を担うことに、私は疑念がない。(ケンブリッジ=春日芳晃)

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