2011年4月23日10時9分
日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は22日、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに対し、東日本大震災の影響で日本の1〜3月期と4〜6月期はマイナス成長になるとの見通しを明らかにした。生産が滞っているのが最大の理由としている。
白川氏は「震災後も内需が消えてしまったわけではない。『激しい供給ショック』のため、需要を満たせない状況にある」と述べ、生産活動の停滞により、今年前半の実質国内総生産(GDP)は減少するとの見方を示した。
さらに福島第一原子力発電所の事故の影響で、電力の供給制限が少なくとも8月まで続くと予想。電力不足が生産の停滞を長引かせる恐れがあると指摘した。
そのうえで「もし生産能力が復活すれば、日本経済は従来の成長路線に戻る」と強調。「我々は状況を注意深く見守り、追加措置が必要となれば中央銀行として必要な措置を講ずる」と述べた。
日本の成長見通しについて民間調査機関などは同様の見方をしているが、日銀総裁がマイナス成長を明言したのは初めてだ。(ニューヨーク=山川一基)