2011年4月23日6時49分
菅政権は22日、原子力損害賠償紛争審査会が損害判定の1次指針を決めた場合、福島第一原発周辺地域の農漁業者や商工業者に対して賠償金の「1次払い」をするよう、東京電力に促す方針を固めた。事故の収束までに時間がかかるため、要望の多い事業者への賠償支払いを促す。
東電はこれまで、原発事故で出荷停止などの被害を受けた農漁業者や商工業者への賠償支払いについて「明確な賠償の指針がないので払えない」との立場を取ってきた。
政権としては、資金繰りに苦しむ農漁業者や中小企業を急いで支える必要があるため、東電に、事故の収束を待たずに1次指針に基づいて、ここまでの一定期間の被害を受け付けて支払いを急がせる。
1次払いは、原子力損害賠償法に基づく正式な賠償金の一部と位置づけることができる。(小暮哲夫)