2011年4月21日20時30分
着工が遅れている仮設住宅を巡り、国土交通省は21日、岩手、宮城、福島の3県に用地を確保できた場所から順次、早期に工事を発注するよう要請することを決めた。市町村間で完成する戸数に差が出ないように配慮するあまり、用地はあるのに発注を先送りしている例が目立つためだという。
宮城県では、石巻市や東松島市などでは順調に用地が確保されている一方、女川町や南三陸町では用地確保が難航。用地を確保できた場所から建てると、仮設住宅の建設が早い地域と遅い地域が生じるとして、同県は市町によって発注戸数を調整している。
ただ、7万2千戸の必要戸数に対して、完成は455戸のみで、着工の遅れが避難所暮らしの長期化を招いている。このため、国交省は地域間のバランスよりも、早急に完成させることを重視するよう求め、土地を確保できた場所から順次、業者に発注していくように促す。22日に同省幹部が3県を訪ね、文書で申し入れる。
限られた敷地を有効に活用するために、同省は仮設住宅の棟と棟の幅を狭めて建てる数を増やすことや、2階建ての輸入コンテナを活用することも提案する。