2011年4月21日17時5分
農林水産省は20日、今年産米の全国の生産数量目標(795万トン)の達成が難しくなったことを明らかにした。東日本大震災で水田が被害を受けた宮城、福島両県に割り当てた生産数量目標の一部を他県に回す作業を進めているが、他県が十分に引き受けられず、目標の未達が確実になった。
宮城、福島両県は、沿岸部の津波被害や、福島第一原発から漏れた放射性物質による土壌汚染の影響で一部の水田で作付けができなくなり、両県で計4万5600トン(8500ヘクタール)分の作付けを他県に回す「都道府県間調整」を農水省に申し立てた。
農水省は他の都道府県に対し、この分の生産を引き受ける意向があるかの確認作業をしてきた。北海道、青森、秋田、山形、新潟、石川など米どころを中心に17道府県から計3万トン前後の申し出があったが、宮城、福島両県の不足分には届いていない。田植えを控え、営農計画を見直すのが難しかったことが響いた。
ただ、未達分が全国目標のごく一部にとどまるほか、政府保有の備蓄米約100万トンや民間在庫もあることから、農水省は当面、コメ不足に陥る心配はないと説明している。