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原発20キロ圏、22日から警戒区域 立ち入りに罰則も

2011年4月21日11時41分

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写真:福島県の佐藤雄平知事(左)を訪れ、知事室前であいさつする菅直人首相=21日午前9時36分、福島市、小宮路勝撮影拡大福島県の佐藤雄平知事(左)を訪れ、知事室前であいさつする菅直人首相=21日午前9時36分、福島市、小宮路勝撮影

 枝野幸男官房長官は21日午前の記者会見で、22日午前0時から福島第一原発の半径20キロ圏内を災害対策基本法に基づく「警戒区域」に設定し、原則として立ち入りを禁じると発表した。圏内の住民の「一時帰宅」については「数日中に始めたい」とした。

 これに先立ち、菅直人首相は21日午前、福島市を訪れ、福島県庁で佐藤雄平知事と会談。知事は「警戒区域や避難区域の話は地元首長や住民の了解を得ることが前提だ」と要請し、首相は「地元のみなさんの話を最優先にする」と応じたという。首相は20キロ圏外の一部地域を指定する方向で調整している計画的避難区域について「(詳細な)地域は明日発表する」と伝えた。佐藤知事が会談後、記者団に明らかにした。

 警戒区域は災害対策基本法が定める措置で、これまで20キロ圏内を対象にとってきた原子力災害対策特別措置法に基づく「避難指示」よりも強制力が強い。退去を拒んだ場合は罰金や拘留が科せられる可能性がある。枝野氏は会見で「(住民以外の立ち入りは)法に基づいて厳しく対応したい。住民には法に基づいた措置をとらないで済むよう理解いただきたい」と述べた。

 一時帰宅は、1世帯あたり代表者1人をバスなどを使って集団で実施し、在宅時間は最大2時間程度。希望する全世帯を「1、2カ月で一巡したい」(枝野氏)としている。ただ、放射線量が多いとみられる半径3キロ圏内について枝野氏は「一定のリスクがあることは間違いない」として、一時帰宅は認めない。

 一方、枝野氏は原子炉が冷温停止した福島第二原発について「重大事故が発生するリスクが相当程度低下してきている」として、避難指示区域の縮小を表明。現在の10キロから8キロに変更する。これにより、第二原発の避難指示区域が第一の20キロ圏内にすべて収まることになる。

 首相が東日本大震災の被災地を視察するのは4度目で、福島県は3度目。首相は佐藤知事との会談後、大熊町が避難している田村市内と、富岡町、川内村の避難先になっている郡山市内の避難所を訪れ、被災自治体の首長や住民から直接話を聞く予定。

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