2011年4月20日19時27分
経済産業省の原子力安全・保安院は20日、津波対策の実施状況を確認するため、九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の立ち入り検査を始めた。
2日かけて非常用電源などを確認するもので、いまのところ大きな問題は見つかっていない。定期検査で停止中の玄海2、3号機の対策が確認されれば、運転再開に向けた手続きが進むことになる。
玄海では保安院の検査官3人が非常用電源車や冷却水を送るポンプの配備状況などを調べた。玄海原子力保安検査官事務所の猿渡圭輔所長は「対策が実際に有効かどうか厳格に確認する」と述べた。川内でも午後から検査官3人がチェックした。
福島第一原発の事故を受けて九電は15日、緊急津波対策をまとめた報告書を国に提出。保安院は今回の検査を踏まえ、月内にも「対策は適切」と判断する見通し。九電は地元の同意が得られれば、玄海2、3号機の営業運転を5月下旬にも再開する考えだ。