2011年4月20日7時30分
東日本大震災の被災者向けの仮設住宅に、介護保険サービスなどを受けられる介護拠点施設が併設される。厚生労働省が19日、被災9県に通知。合計100カ所以上の整備を目指す。国が仮設住宅にこうした拠点づくりを促すのは初めてで、設置費や運営費は、全額国費で賄う方針だ。
介護が必要な高齢者や障害者らが仮設住宅で暮らすには、日常生活を支える態勢づくりが不可欠だ。対象は青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉、新潟、長野の9県。1カ所あたりの設置・運営費は約2千万円と試算し、第1次補正予算案に盛り込む被災者の生活支援対策費(約70億円)の一部を充てる。
拠点では、デイサービスや訪問介護・看護など介護保険サービスが受けられる。さらに配食サービスや見守り、心のケアにつなぐ相談員も配置されることになりそうだ。
また、地域住民のニーズにあわせて、ボランティアの活動拠点や、子どもを含めた交流スペースにするなど自治体が自由に設計できるようにする。運営は、自治体が地元の社会福祉法人などに委託。津波で事業所が流失した法人などの委託を促すことで、雇用対策にする狙いもある。
今回、厚労省が参考にしたのは、2004年の中越地震で新潟県が仮設住宅の集会所に設置した介護などのサービスセンター。この時と同様に約500戸に一つの拠点を設ければ、全体で100カ所以上の整備が必要になると見積もった。