2011年4月19日20時27分
日本鉄鋼連盟は、東京、東北両電力管内の夏場の節電に協力するため、東日本での生産をできるだけ西日本に移すよう鉄鋼各社に提案することを決めた。林田英治会長(JFEスチール社長)が19日の記者会見で明らかにした。
林田会長は「(震災で)日本の製造業の活動レベルが落ちているため、現時点で西日本地区はフル操業ではない」と説明。生産を移す余地があるという。
林田会長の母体のJFEは、東日本製鉄所(川崎市、千葉市)の鉄鋼生産の一部を、西日本製鉄所(岡山県倉敷市、広島県福山市)へ移す検討を進める。最大手の新日本製鉄も君津製鉄所(千葉県君津市)の生産の一部を名古屋や大分などの拠点に振り向けられないか検討中。君津の定期修繕を夏に実施して電力使用を抑える構えだ。
大手の製鉄所は、鉄の製造過程で出るガスを活用した自家発電施設を備えていたり、東京電力と発電所を共同運営したりしている。林田氏は「(これらの施設を)最大限の出力にして電力供給を増やしたい」と強調。業界あげて電力供給にも協力する考えを示した。