2011年4月19日19時39分
ボストン・マラソンの車いすの部で18日、日本勢がアベック優勝した。女子の土田和歌子(36)=サノフィ・アベンティス=と男子の副島正純(40)=シーズアスリート=の胸にあったのは東日本大震災の被災者への思い。インタビューでは、交流のある米大リーグ、レッドソックスの松坂大輔投手らが寄せ書きした日の丸を2人で掲げた。
土田は17歳で交通事故に遭い、車いす生活に。困難を乗り越えた経験から「腕がちぎれても絶対に走ると思った。大変なときに助けてくれた人の気持ち、苦しんでいる東北の皆さんのことを思ってこういうレースができて良かった」と目を潤ませた。
23歳の時に工場で鉄板の下敷きになり、車いす生活となった副島はヘルメットに「強い気持ち」と書いた日の丸のステッカーを貼った。
一度は先頭集団から離されながら、過去に9度優勝のエレンスト・バン・ダイク(南アフリカ)ら2選手を最後の直線でかわして男泣き。「30キロであきらめかけたが強くありたいと思った。これから日本で絶対に必要なのは強い気持ち」とエールを送った。(共同)