2011年4月19日16時36分
旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から25周年となる26日を前に、各国首脳級の原子力安全サミットなど一連の国際会議が19日から首都キエフで開かれた。福島第一原発事故が進行中で、原発の安全性に改めて注目が集まるタイミングの開催となる。
原子力安全サミットは今回の最大の焦点となり、原子力安全や技術向上の国際協力について議論する。
約50カ国が参加。フランスのフィヨン首相、ロシアのメドベージェフ大統領ら首脳級が顔をそろえる。潘基文(パン・ギムン)・国連事務総長や、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長も出席。日本からは高橋千秋外務副大臣が出席し、福島第一原発の現状や事故の経緯などについて報告する。
これに先立ち、チェルノブイリ原発事故の今後の長期的対策を主要8カ国(G8)がウクライナと話し合う支援国会合が19日、開かれた。25年前に原子炉からの放射能を封じ込めたコンクリート製「石棺」の老朽化対策が急がれており、財政的な手立てを模索する。
20〜22日にも国際会議が開かれ、事故の教訓や、環境や社会への影響などについて討議する。
チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に発生。4号炉が制御不能となり、爆発。広範囲に放射性物質が飛散し、現在のウクライナ、ベラルーシ、ロシア3カ国にまたがって土壌を汚染した。原発から半径30キロ圏内では、現在でも居住などが禁止されている。
一連の会議に先立ち、ウクライナ緊急事態省は18日、外国メディアなどにこの区域内を公開した。(キエフ=玉川透、関根和弘)