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「自粛やめて、温泉へ」 群馬の温泉旅館のおかみ30人が銀座で訴え

2011年4月18日19時42分

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写真:群馬県のアンテナショップで、群馬の温泉に来てほしいとアピールする温泉旅館のおかみたち=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影拡大群馬県のアンテナショップで、群馬の温泉に来てほしいとアピールする温泉旅館のおかみたち=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影

写真:群馬県の観光マスコットキャラクター「ぐんまちゃん」と街頭に立って温泉地へ来てほしいと訴える塚越裕子さん=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影拡大群馬県の観光マスコットキャラクター「ぐんまちゃん」と街頭に立って温泉地へ来てほしいと訴える塚越裕子さん=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影

写真:おかみたちが配る群馬の野菜やグッズにたくさんの人が集まった=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影拡大おかみたちが配る群馬の野菜やグッズにたくさんの人が集まった=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影

写真:街頭キャンペーンを終えて群馬県の大沢知事(中央左)や小渕優子衆院議員に観光の現状を訴えるおかみたち=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影拡大街頭キャンペーンを終えて群馬県の大沢知事(中央左)や小渕優子衆院議員に観光の現状を訴えるおかみたち=18日午後、東京都中央区、小原佐和子撮影

 東日本大震災は観光産業も静かに直撃している。本震の後の東京電力による計画停電やガソリン不足、さらに自粛ムードが追い打ちをかける中、県内に180カ所以上の温泉地を抱える群馬県の温泉旅館のおかみたちが18日、東京・銀座に集合。県内の旅館では被災地の避難者を受け入れているところもあり「すべてが復興と被災地の支援につながるので、温泉旅館に泊まりに来て」と訴えた。(アサヒ・コム編集部 砂沢薫子)

おかみたちの訴え、一人ひとり写真で

 東京に来たのは「群馬県女将(おかみ)の会」の旅館のメンバーで伊香保、草津、水上、谷川、赤城山、四万、老神の各温泉から約30人がバスを仕立ててやってきた。温泉ごとにそろいのたすきやはっぴを着たおかみたちは、群馬県の大沢正明知事や県選出の小渕優子衆議院議員とともに、東銀座の三原橋交差点にある群馬県のアンテナショップ前に並び、出荷制限がなくなった県野菜セットや観光パンフレットなどを集まった人に配布した。

 震災直後には「かかってきた電話はすべてキャンセルの連絡」というほどで、客足がぱたりと途絶えた。3月はお彼岸の連休や春休み、学生の卒業旅行とかき入れ時だっただけに、どの旅館にとっても大きな痛手となってしまった。

 草津温泉「金みどり」の大島かつ子さんは草津生まれの草津育ち。それでも、温泉街の中心にある名物の「湯畑」に人がまったくいない状況は初めての経験だったと話す。

 震災直後のガソリン不足も、車でのアクセスが主な温泉地には大きなダメージに。東京電力が実施した計画停電の影響をもろに受けた温泉地もあった。草津温泉は計画停電のエリアに組み込まれたため、客室へのエレベーターが動かせず、暖房も入れられない。予約をしていた客にキャンセルをお願いするしかなかった宿もあったという。また、列車でのアクセスも計画停電の関係からJR吾妻線が4月上旬まで運休してしまい、草津や四万といった温泉地へ列車で行けない状態が続いていた。

 4月に入って首都圏でサクラが咲いたことなどから客足が上向いてきている温泉地もあるものの「ゴールデンウイークもまだ8割が空室」と訴えるおかみも。週末は客が戻りつつあるが平日はさっぱり、というところがほとんどだという。

 おかみの会の会長で伊香保温泉「塚越屋七兵衛」の塚越裕子さんは「きょうは『観光安全宣言』に来ました。日本人の中に自粛は美徳という考え方があるのはわかりますが、いまは温泉に泊まりに行くということも含めたすべての経済活動が、復興と被災地への支援に直結している、ということをわかってほしいのです」と話す。

 赤城山温泉(前橋市)の「青木旅館」の青木留美さんは「うちの旅館は標高1400mにあって去年の猛暑のときも最高気温は27.7度でした。今年はぜひ涼しい赤城山へ」と訴えた。

 草津温泉の「ホテル一井」の市川薫さんは「草津温泉にはたくさんのJリーグJ2のザスパ草津の選手たちがたくさんアルバイトとして働いています。今は正社員だけでも仕事が余っている状況。選手たちがサッカーに打ち込めるようになるには、温泉がにぎわってアルバイトでお給料を出せてこそ。どんどん群馬の温泉に来てください」と話していた。

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