2011年4月15日19時57分
斜面に住宅が密集する岩手県宮古市蛸の浜町と山根町。「もっこ」と呼ばれる竹のかごを背負い、高台の住宅で避難生活を送る高齢者たちに1日3食の弁当を届けている姉妹がいる。
今春に市立第二中に入学する松田優奈(ゆうな)さん(12)と鍬ケ崎小5年の凜奈(りんな)さん(10)。自宅が津波に流され、蛸の浜町に住む祖父の家に避難している。
13日の昼食はカレーライス弁当。姉妹は避難所になっている鍬ケ崎小で弁当を受け取った後、もっこを背負って20軒ほどの家を1時間かけて回った。
この辺りでは、住民は日頃からもっこを使う。姉妹も震災前から食品や日用品を積み、約400メートル離れた祖父宅まで細い坂道を上っていた。優奈さんは「みんなのために何かしたいと思って始めた。学校が始まっても、できる限り続けたい」と話した。(平井恵美)