2011年4月15日13時5分
「天使の歌声」の愛称で日本でも人気のウィーン少年合唱団が14日、東日本大震災の被災者を支援するチャリティー公演をウィーンで開いた。ボーイソプラノの澄んだ歌声で「ふるさと」など日本の歌を披露し、会場を埋めた1500人以上の聴衆を魅了した。
合唱団は1955年から毎年のように来日しているが、今春の日本公演は震災で断念。代わりに、日本のファンを励まそうとチャリティー公演を企画した。
普段は10〜14歳の約100人がモーツァルト、ハイドンなど大音楽家の名を冠した4組に分かれて練習や公演を行うが、この日は日本人3人を含む全員が勢ぞろい。OBら約40人も加わり、天皇、皇后両陛下が作詞作曲した「歌声の響き」や、ベートーベンの「ミサ曲ハ長調」などを約1時間半にわたって歌った。
公演の中で、昨年6月に合唱団を卒業し、現在ウィーンで同団付属高校に通う中島信太郎さん(15)が「被災した多くの方々に勇気と希望を与えられるように歌いたい」と話した。(ウィーン=玉川透)