2011年4月15日1時0分
国土交通省は、東日本大震災で被災したインフラの復旧に関する自治体の公共事業の国庫負担率を大幅に引き上げる方針を固めた。最高で99%程度まで国費負担率を引き上げてほぼ全額を国費で賄い、自治体の負担を減らす。
国交省によると、県や市町村が管理する道路や堤防、港湾、下水道などの被害は3月末時点で1万3602カ所、被害額は1兆2千億円に上る。復旧工事の費用を賄えない自治体が相次ぐとみられ、同省は最大限の補助率の適用を検討している。
災害復旧にかかる費用は、通常3分の2が国費で補助され、さらに、大規模な災害だと政府が指定すれば、80〜99%までかさ上げできる。これとは別に被災した自治体は、復旧工事のために地方交付税の特別交付を受けることができる。制度を併用すれば、自治体は復旧工事のほぼ全額を国費に頼ることができる。
また、今回の震災では、自治体の機能が低下した市町村も多いため、自治体による被害額の査定手続きも大幅に緩和する。図面や被害写真がなくても、国の航空写真で代替することを認め、現地に行かずに査定できる限度額を300万円から5千万円に引き上げる。(歌野清一郎)