2011年4月13日19時4分
福島第一原発の事故で「全村避難」した福島県川内村の小学生が13日、新学期をスタートさせた。同県郡山市にある2カ所の避難所からスクールバスに乗り、約15キロ離れた「学校の中の学校」へと登校した。
新学期を始めたのは、村で唯一の川内小学校。震災前は100人ほどが通う予定だったが、この日登校したのは46人。うち3人は同じ避難所で暮らす南相馬市と大熊町の児童だ。残りは避難先の県内外の学校に編入しているという。
新1年生は7人。三瓶(さんぺい)槙也くん(6)は震災後、茨城県内の親戚の家に身を寄せていた。でも友だちがいる学校に通いたいと希望し、家族で郡山市にある避難所に移ってきた。「漢字を勉強して、すべり台で遊ぶのが楽しみ」と言い、さっそく友だちとおしゃべりをしていた。
授業の前には遠藤雄幸村長も駆けつけ、「必ず川内村に帰れる。与えられた試練を前向きにとらえ、村の未来のためにしっかり学んでほしい」と励ました。
新しい学校は郡山市の河内(こうず)小学校の空き教室。ただし、2室しかないため、村は今後、河内小の児童と合同で学ばせることを検討するという。(霜田紗苗)