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汚染水封じ込め本格化 止水用鉄板・シルトフェンス設置

2011年4月13日11時44分

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写真:12日午前9時50分ごろ、福島第一原子力発電所2号機取水口近くからもれていた汚染水を止める止水板が置かれた。13日には2枚目を置く予定だ=東京電力提供拡大12日午前9時50分ごろ、福島第一原子力発電所2号機取水口近くからもれていた汚染水を止める止水板が置かれた。13日には2枚目を置く予定だ=東京電力提供

 東京電力福島第一原発で、放射能汚染水の海への流出防止対策が、本格化してきた。流出元になった取水口付近では止水板や、海水をカーテンのように仕切る「シルトフェンス」の設置が進められ、汚染水をくみ上げ始めた坑道のたて坑では13日、水位が4.3センチ下がったことが確認された。4号機の使用済み燃料プールでは水温が90度に上がっていることが分かり、13日未明に緊急で195トンの水をプールに放水した。

 2号機の取水口付近で見つかった高濃度汚染水の流出は6日に止まった。タービン建屋や坑道にたまった水が作業用の穴(ピット)まで流れ込み、亀裂から海へ漏れていたため、東電は付近の地盤を固めるなどの対策を取っている。

 1〜4号機の取水口は堤防に囲まれた構造。通常は潮の満ち引きで出入りがある程度で、内側は汚染の高い状態が続いている。検出されたヨウ素131は、11日現在でも海域の濃度の基準の3500倍。ただ、日に日に薄まり、周囲へ拡散しているとみられている。

 12日から2号機の取水口に鉄製の止水板を取り付け、13日もさらに追加する。シルトフェンスを設けるのは1〜4号機の取水口周囲など計6カ所。すでに11日に1カ所で設置し、13日は天候不良で1日遅れた3、4号機で作業する。水の移動をある程度防げると期待されている。

 汚染源となった2号機の坑道の汚染水を、タービン建屋の復水器の中に移し替える作業も12日夜から続いている。たて坑の水位は地上まで91センチのところまで上昇していたが、13日午前7時現在で95.3センチとなり、少し下がった。

 復水器にはまず、700トンをポンプで送る。40時間程度かかる見込み。坑道には6千トン近くがたまっているとみられ、残りは敷地内の集中廃棄物処理施設(容量約3万トン)に移す準備を進めている。

 4号機では12日、コンクリートポンプ車で、放射性物質を調べるための水を約400ミリリットル採取。その際に水温や放射線量も計測した。空気中の線量は1時間あたり84ミリシーベルトだった。

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